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気仙沼で”音のしずく”出前コンサート♪ (2013/7/14) 報告!
3.11で最も被害のひどかった町のひとつ、宮城県気仙沼に「出前コンサート」にいってきました。
「出前コンサート」とは、私がここ12年程主宰している、Joy of Music(主に若い音楽学生の育成)の主旨のひとつであり、学生にも社会的に貢献してもらいたいという想いで、数年前より、私自身や学生も連れて、福祉施設、小中学校等に出向かい、音楽で対話させていただくムーブメントです。
ご縁があって気仙沼のピアノの先生方が、わたしのコンサートの運営委員会を立ち上げてくださり、7月中旬、その前日に気仙沼に入りました。
コンサートの前に町の方々とお会いし、まずお話を伺いたいという私の願いを快く引き受けてくださり、(なぜか私のお酒好きも知っていて)前夜に飲み会となりました!
実は最初、災害から2年以上が過ぎた今、町のみなさんがどんな表情で、どんな風に毎日の生活をしているのか、全くわからないので、コワゴワとその飲み屋さんに足をふみ入れました。
ワイワイガヤガヤ、その飲み屋さんはなんと活気に満ちていた事!
その一角に素敵な30~50代の男女が座っていて、私を迎えてくれました。
ピンピン、半分生きたお魚達の大皿が目の前にドンドン出てくる中、もう最初から長年の友達だったように、ピンピン、生き生きとしたその方達は、色々私に話してくださいました・・・家が全部流されて、やっとこれから建てなおしに入る方、生徒さんや、ピアノ、楽譜、CD等も失った方・・・それなのになぜあんなに生き生きと私を囲んでくださったのでしょう!
私はとても元気づけられて、その夜は心安らかに眠る事が出来ました。翌朝の目の前の海の入江の何と静かで美しかった事!!
そして開演前には、もうずらっと人が並び、CDがあっという間に売れてしまったという報告を受けて、えーーっと驚いてしまいました。
前日、先生方は何人お客さんが来るか分からないし、私に失礼があってはならない、というようなお話をしていらしたので、私は10人でも喜んで弾かせていただくわよ!と言ってありました
が・・・(無料コンサートで10枚程のCDをプレゼントとして持っていったのですが・・・)
1000人収容の文化会館の舞台に出てみると半分近く埋まっているではありませんか!!
私は皆さんのお顔を見つつ、少しずつお話を始めました。―――今日、私が気仙沼にお邪魔しているのは、何よりも皆さんのお顔が見たかった、見ながらお話し、音のしずくを、その皆さんのハートに1滴でもよいから落としたかった・・・。
Beethoven,Chopin,Debussy etc.を弾いていく内、何だか会場全体がひとつになったような、ものすごーーーく静かなんだけど、その足元からフツフツとエネルギーが湧いてくるような、すごい空気の中に自分が居るのを感じました。これは何十年も前に私が東ヨーロッパ(その頃の共産圏の一般市民は政府からの弾圧が強く心を反映する場所がなかった)で体験したあのオーディエンスの少し狂気じみたような、あのパッションと一体感を想い起こさせました。本当に音楽を聴きたい、心が耳になって音と一体になる、拍手がとまらない、みんなそこにずーっと居て、体中で気持を表現してくれている・・・こんな心の渦が大きなパワーとなって私を包み込んでいました。誰も帰ろうとしないのです。私が一生ピアノを弾き続けて来たのはこのためだったのだ!!
釜石から、Joy of Music生の小井戸文哉君(高3)も駆け付けてきて私と連弾を弾いてくれました。
こんなに生き生きと愛とパワーにあふれた気仙沼の方々・・・これからの東北は”絶対に再生する” このたくましさ、このやさしさ、このパッション!
又、ぜひ行かせていただこうと思っています!パワーと希望をもらいに。
ありがとう気仙沼!!
With love ,Etsko.
流れ着いた舟はそのまま残っている。。
仮設商店街でカニコロッケやおさかなを買った!!
(田崎悦子のFacebookから転載)