プロフィール
20世紀の大指揮者ゲオルグ・ショルティに認められ、シカゴ交響楽団とバルトークのピアノ協奏曲No.2で衝撃的なデビューを飾ったのは今や伝説となった田崎悦子。
1960年代に高校卒の少女が1人日本から国際的土俵の中心地ニューヨークに飛びピアニストとして研鑽を積み重ねた30年という歳月。様々な葛藤の中で、常に自分の手で自身の道を開拓しながらヨーロッパ、アメリ力全土、日本でソロやオーケストラと共演。世界的指揮者のサヴァリッシュとスイス・ロマンド交響楽団、スラットキンとセントルイス交響楽団、デプリーストとロッテルダム・フィル、小澤征爾と新日本フィル他、世界の名だたる巨匠たちが名を連ねる。
アメリカ建国200年記念音楽祭では若きアメリ力のホープとして選ばれ、ケネディーセンターでリサイタル、その折にはアメリカ人作曲家ジョージ・ロックバーグの「パルティータ・ヴァリエーションズ」を世界初演する。
その他ルツェルン、マルボロ、アスペン、サイトウ・キネン、草津等の国際フェスティヴァルでも活躍。日本ではNHK交響楽団を始め多くのオーケストラと共演。2006年から3年がかりでバッハから21世紀までのピアノ史を横断する前代未聞の企画「田崎悦子ピアノ大全集」6回シリーズ、2015年には「3大作曲家の遺言」3回シリーズでベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの最期の作品を演奏、そのゆるぎない音楽性とヴァイタリティーは音楽界の金字塔となり、NHK-BSプレミアムで複数回放送された。2018年は、19世紀の同世代、ショパン、シューマン、リストという愛と葛藤あふれる3人の作曲家に自身を重ね田崎悦子のみが語れる人生の光と影を紡いだ2回シリーズを行う。
また、2021年春より半年に一度ずつ“Joy of Music”リサイタルシリーズを開催、“Joy of Bach”、“Joy of Brahms”、“Joy of Schubert”を経て、第4回“Joyof Bartók”を2022年秋に行う。
大胆でドラマティック、同時に心を震えさせる繊細さを聴衆に訴え続ける田崎の音楽は年々深さを増し、一度聞くとその魂は奪われてしまうかのよう。
現在、八ヶ岳山麓に居住。2002年ピアノ合宿“Joy of Music”を立ち上げ自然の中で若い世代に真の音楽のあり方を教示し、2022年秋にオール・バルトーク・コンサートで設立20周年を祝う。
桐朋学園大学特任教授他を歴任。