音楽現代 2003年9月号掲載

イエスタディ・ワンスモア

田崎悦子が激動の青春時代を語り、曲目は当日のお楽しみの愛奏する小品を弾くという話題のコンサート。自室を模したらしい舞台上、まず田崎が「昔々、ある所に大変貧しい国がありました…」と自らの若き日について語りだす。続いてガーシュイン「三つの前奏曲」がガッと若々しい情熱も丸出しに弾き出され、随時60年代のアメリカクラッシク音楽界黄金時代を肌で知る田崎ならではの、興味深いトークを挟みながら、ブラームス/間奏曲と十八番のバルトークの小品を三曲、そしてリスト/ハンガリー狂詩曲第12番をホール中に鳴り響くようにダイナミックに弾いてのけた。

後半は黒のドレス姿といい、「夜会」という雰囲気の中、まず得意のドビュッシー/前奏曲集から3曲が弾かれると、佐藤敏直「八月の鎮魂」、ショパン4曲を挟み、最後は田崎の五大Bの青春の金字塔ビートルズ「イエスタディ」とバッハ/前奏曲が連続して演奏されたが、次第に照明が落ちると暗闇の中の終結へ。

(浅岡弘和) 

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